ねえ、気づいてよ……
「そんなに驚かなくても......。怜だもん、いてもおかしくないよ」


やたら驚いてる朝陽くんに不思議に思う。


「えー、意外。でも......、俺からしたら、好都合だな」


最後の言葉は、ほとんど聞き取れないくらい小さかった。


「......?」


ほんとにそう言ったのかも自信がなかったから、首を傾けただけだった。


「こっちの話」


「そう?」


「ん。気にしなくていいよ」


それからは、そんな会話なかったかのように2人で勉強を進めた。


そして、5時頃。


「もうそろそろ、帰ろっか」


朝陽くんが言い出して、ふとずっと見てなかったスマホを見る。


いつもなら、怜とのケンカの後には絶対に、LINEが来てた。


普段は、LINEなんてしないのに。
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