ねえ、気づいてよ……
去年の怜を、私は知らない。


「今年は、涼音がいるから」


平然と、怜が言った。


私がいるから......。


頼って、くれるだ。


嬉しくて頬が緩みそうになる。


「涼音ちゃん、顔真っ赤」


後ろから囁き声がして、振り返れば拓馬先輩がにやにやしながら立っていた。


「やめてください......」


それを聞いてさらに拓馬先輩が笑う。


「もう......」


少し呆れながら視線を戻すと、こっちを睨んでいる愛先輩と目が合ってしまった。


すぐに視線を戻して、怜に擦り寄り始める。


「でも、涼音ちゃんは1年生のマネージャーよ?莉くんのマネージャーは、私」


「別に、涼音連れてきたの俺だし」


「でも」


「しつこい。俺は俺が1番信用できる人を頼る」


愛先輩の言葉を遮って、怜が言った。


「......っ」
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