ねえ、気づいてよ……

やっと、言えた

朝陽くんと水族館へ行った日から1週間。


「あっ、涼音!」


今日は、部活の日。


学校に着くと、朝陽くんが笑って手を振ってくれる。


それに返事をしながら、怜が目に入る。


目が離せなくて、見入ってしまっていたら、目が合う。


恥ずかしくなって、目を逸らしてしまった。


怜と、今までどおりに話が出来る日なんて、来るのかな......。


ネガティブになりかけた気持ちを無理やりあげて、マネージャーの仕事をする。


「うん。だいじょーぶ」


そうつぶやくと、なんとなく、大丈夫な気がした。


部活の時間が半分くらいすぎた頃。


「ふぅ......」


羽織っていたパーカーを脱ぎに、部室にいた。


ガチャ。


「えっ?」


別に、着替えてたわけじゃないから平気だけど......。
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