ねえ、気づいてよ……
「俺、いつの間に彼女できたの」


「前、一緒に歩いてた人......」


そう言っても、まだ分からないみたいで私もどんどん混乱してきた。


「夏休みの、ママたちが帰ってくる日に......」


「......。ああ!」


思い出したらしい。


「あー、拓馬と同じクラスのやつ数人と遊んでたんだよ。そしたら、たまたま会ってさ。

で、拓馬たちの買い物待ちを2人でしてた。

たぶん、そこを涼音は見たんじゃないか?」


「でも、怜、優しい顔してた......」


そう言うと、怜は少しだけ顔を赤らめた。


「あー、そんな顔してた?」


ほら、笑って言うもん。


彼女さんじゃなくても、好きな人なんでしょ?


「あの時な、涼音に似合いそうなネックレス見つけてさ」


「......え?」
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