ねえ、気づいてよ……
私......?


「涼音に似合いそうだなーって、見てたんだ。そいつにも言われたよ。

いつもと違う表情してるって」


私の事、考えてたの?


「あの人のこと、好きじゃないの......?」


「全然ない。告られたけど振ったし。それに......、俺、ずっと1人しか見てないから」


上がった気分が地にまで落ちた。


結局、いるんじゃん、好きな人。


「ずっと、涼音しか、見てないから」


「え?」


もう、脳の処理が追いついていかない。


「俺、ずっと、涼音が好き。

朝陽と付き合ってるのは知ってるし、困らせるのも分かってる。

だから、これからも、ただの幼なじみ。な?」


そんな切なそうな笑顔、しないで。


立ち去ろうとした怜の服の袖を慌てて掴む。
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