ねえ、気づいてよ……
部活終わり、朝陽くんの表情がいつに泣く真剣だった。


「涼音、帰ろう」


違和感を感じながらも、ちゃんと、言うことを頭の中で整理する。


「ちょっと、話してこ」


「うん」


こんなに暗い空気の2人は初めて。


「ねえ、別れよっか」


朝陽くんに、切り出された。


「え?」


「涼音は、やっぱり怜くんが好きでしょ?」


「......。昨日、諦めないって」


「俺には、涼音が痩せたなんて、気づけなかった」


聞かれて、たんだ。


「俺は、あんなに涼音を想った言葉、言えなかった」


「......」


なんて言ったらいいのか、わかんない。


「俺、勝ち目ないなって......」


太陽みたいに笑う朝陽くんに、こんなにも悲しい顔させてるのは自分。
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