ねえ、気づいてよ……
私、最低だ......。


「ごめん......」


泣いちゃダメ。


私が泣く資格なんてない。


「涼音、俺、涼音が好きだよ」


その言葉に、答えることが出来なかった。


「怜くんに、負けたよ。だから、これは、涼音のせいじゃない。
俺が、涼音を1番幸せにできるって思えなかったんだ。
涼音を1番幸せにできるのは怜くんだって」


朝陽くんの優しさに、堪えていた涙が溢れてきた。


止めようとしても、止まらない。


「あさ、ひ、くん。ごめ、ん、ね......」


「謝んないで。でも、さいごに......」


そう言って、私は抱きしめられた。


「涼音が泣き止むまで、そばにいさせて」


ああ、私、ほんと、最低。


でも、私は周りの人に恵まれてる。


されるがままに、朝陽くんに抱きしめられていた。
< 151 / 272 >

この作品をシェア

pagetop