ねえ、気づいてよ……

いつまででも、味方

「ねえ、あの子でしょ?朝陽くんから怜くんに乗り換えたの」


「あ、知ってる〜。性格悪そ」


「やだ、聞こえるよっ」


聞こえてくる悪口。


大きめのため息をつきそうになるけど、グッと我慢。


「なんなの、あの女」


美奈は、イライラしながら私に言う。


「しょうがないよ。事実だもん」


朝陽くんと別れて、怜と付き合い始めたことは、一瞬で広まった。


そして、ほとんど間を置かずに広まったのが、この噂。


『香山涼音は、川崎朝陽をもてあそんだ』


朝陽くんと別れると同時に、怜と付き合い始めたことで、私はすぐに男を捨てる女と言われている。


もっと酷いのは、遊んでるらしい、と。


二股、浮気も普通にする。


噂に尾ひれがついて、こうなっていた。


「はぁ......」
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