ねえ、気づいてよ……
「涼音。大丈夫だから。何言われたって、涼音は俺の味方だろ?」


「うん」


「だから、俺は平気。涼音さえ、俺を信じてくれてれば」


怜の言葉に安心して、視界が滲む。


「俺だって、怜の味方だぞ!」


涙が引っ込んだ。


なんか、びっくりしすぎて......。


拓馬先輩......。


「あ、もちろん、涼音ちゃんの味方でもある。
いや、怜と涼音ちゃんがケンカしたら迷わず涼音ちゃんを信じるくらい味方」


「それ、ほとんど涼音じゃねーかよ......」


呆れたような怜の声。


「で、俺も気になってたんだよねー。部活のヤツらの涼音ちゃんへの見方。
涼音ちゃんがそんな子なわけないから、噂なんて信じてないけどあいつらはなあ......」


「自分の都合のいい情報しか見えてねーよ」
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