ねえ、気づいてよ……
部活終わり、怜に言われて慌てて片付けを終わらせる。


「待ってよー」


聞こえてきた拓馬先輩の声に笑いながら、怜に着いていく。


拓馬先輩も追いついてきて、3人で帰る。


もう、慣れた帰り道といつも通りの顔。


それが、いつもと違って感じるのは、愛先輩の言葉がずっと脳内をぐるぐるしてるから。


怜は、私がここにいるのをどう思ってる......?


私がサッカー部のマネージャーになったのだって、拓馬先輩に誘われたからなだけで怜の勧誘じゃない。


怜から、私への意思表示なんて少ない。


「涼音ちゃん?」


ほら、今だって、怜は私を見てるだけ。


声をかけてくれるのは、拓馬先輩。


「涼音ちゃん?」


「え、あ、なんですか?」


うっかり思考に陥って、聞こえてるはずの声が届かなかった。
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