ねえ、気づいてよ……
「ねえ、聞いてた?」
「ぜ、全然です」
「ははっ。次はちゃんと聞いててよー?」
少し焦ったけど、楽しそうにニコニコ笑った拓馬先輩にほっとする。
拓馬先輩との分かれ道までずっと、先輩の穏やかで楽しい話に耳を傾け続けた。
「じゃあねー」
拓馬先輩と別れると、怜と2人きり。
どうしても愛先輩の言葉がよみがえって、自分から話しかけられない。
「涼音、なんかあったか?」
え......?
「なんか、いつもより下向いてる」
「......っ」
なんで、気づいてるの。
「あ......。なんでも、ない......です」
最後の2文字は、躊躇った。
言ったら、何かが一瞬でなくなる気がしたから。
「涼音?」
「大丈夫、です、から」
見てないけど、怜の顔が険しくなっていってるのが分かる。
「ぜ、全然です」
「ははっ。次はちゃんと聞いててよー?」
少し焦ったけど、楽しそうにニコニコ笑った拓馬先輩にほっとする。
拓馬先輩との分かれ道までずっと、先輩の穏やかで楽しい話に耳を傾け続けた。
「じゃあねー」
拓馬先輩と別れると、怜と2人きり。
どうしても愛先輩の言葉がよみがえって、自分から話しかけられない。
「涼音、なんかあったか?」
え......?
「なんか、いつもより下向いてる」
「......っ」
なんで、気づいてるの。
「あ......。なんでも、ない......です」
最後の2文字は、躊躇った。
言ったら、何かが一瞬でなくなる気がしたから。
「涼音?」
「大丈夫、です、から」
見てないけど、怜の顔が険しくなっていってるのが分かる。