ねえ、気づいてよ……
そして、次の日。


「涼音、帰るぞ」


「あ、待ってー」


もう恒例化してしまったこのやり取り。


私の決断ひとつで変わってしまう。


「ねえ、話したいこと、あるの」


本当は、聞きたいことだけど。


「......ああ」


一瞬目を見開いた怜だったけど、すぐに頷いてくれた。


「ありがと」


帰り道、そんな覚悟なんてどこかへ行ってしまったみたいに楽しく笑いあっていた。


「星って、冬の方が綺麗だよね」


「ああ、確かにな。そーいえば、涼音って昔、サンタに星頼んでたよな」


「......そうだっけ?」


「ああ。俺が小3で涼音が2年生」


「あ、あったかも......」


確かあの時は......。


「「流れ星」」


声が重なる。


「思い出したか?」
< 181 / 272 >

この作品をシェア

pagetop