ねえ、気づいてよ……
次の日の重い気持ちの部活は、辛いだけだった。


怜を見る度にズキズキと心が痛む。


泣かないよう、必死に涙を堪えてた。


「涼音」


「うん」


呼ばれただけで、帰る合図ってわかる。


できるだけ、明るく振る舞うんだ。


「怜、公園」


私たちの色んな思い出が詰まった公園は、今は一生着いて欲しくない場所。


話す場所、公園にしなきゃ良かった。


公園には、いい思い出だけのこしておけばよかった。


無情にも、公園に着いてしまった。


「で、どうした?話って」


何も知らない怜が、なんでもないように聞いてくる。


「怜......」


言葉が詰まる。


言うんだ、言わなきゃ。


昨日も泣いたはずなのに、また涙で視界が滲む。


泣かないって、決めてたのに。


「涼音?」
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