ねえ、気づいてよ……
いつもは、あんな大人な態度取ってないのに。


もっと、甘えてくれるのに。


「怜くん、今日は一緒に寝よ?」


「それだけは、マジ勘弁。悪いけど、おばさん達と寝て」


冷たく言うと、愛香は黙った。


部屋を出ていく音がして、俺はベッドに寝転がった。


「涼音......」


笑ってるのに、笑ってないような顔は、涼音が自分の感情を隠す時の顔。


俺に向けたことなんて、ほとんどなかったのに。


させちまった。


「はぁ......」


電話、しようか。


そう考えて、スマホを手に取った時、涼音から連絡が来た。


『明日の部活後、時間ある?』


明日、この時に今日のことを話そう。


そう決めて、すぐに返事を打つ。


『絶対に空ける』


そして、誕生日プレゼントを渡すんだ。
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