ねえ、気づいてよ……
次の日、どこか暗い顔をしてる涼音に胸が痛む。


なんて顔、してんだよ。


いや、させてんのは俺か。


今日は、部活に身が入んねーな。


「おい怜!どうした」


普段は、俺が怒る側なのに拓馬にも言われた。


「俺、今日やばいわ」


「涼音ちゃんとなんかあったのか?」


1発で見破るこいつにちょっと尊敬を感じながらも頷く。


「ああ。ちょっとな」


「ま、お前らなら大丈夫だろ」


「そう、思ってんだけどな」


今日の涼音見てたら、不安になってきた。


持ってきた誕プレ、ちゃんと渡せるのか......?


それから時間は流れ部活が終わった。


「涼音」


「うん」


短い会話だけど、伝えるには十分だった。


いつも通り、公園に入る。


この公園が、いつもより色あせて見えた。
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