ねえ、気づいてよ……
「で、どうした?話って」


涼音の話が若干、怖かった。


なんとなく嫌な予感がした。


「怜......」


絞り出した声に俺の嫌な予感は、さらに強くなる。


それから涼音は、言葉を発さない。


「涼音?」


見ると、泣きそうな顔をした涼音が映った。


「俺から、話してもい?」


「うん」


俺は、昨日のことを全部話した。


もう愛香が話したかもしれないが、俺からもう一度話す方がいい気がした。


そして知った。


涼音が俺と愛香がキスしたことを知っていたこと。


あれは、まだ小学生の頃だし、あの頃はキスがどういう行為かわかってなかった。


だから、愛香からのそれを受け入れてしまった。


その頃から、子供ながらに涼音を守りたいと思っていた。


「怜、別れよっか」
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