ねえ、気づいてよ……
返ってきた返事は、優しいものだった。


「好きな人が、できたんじゃな」


優しく温かく微笑んでくれた。


「はい。俺の、1番大切な子です」


「よかったよかった。怜くん、その子を大事にするんだぞ」


「はい」


スッキリとした気持ちで病院を出た。


あとは、涼音に話すだけだ。


それが一番、不安だけど。


返事のない電話に、心が折れそうになる。


「涼音......」
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