ねえ、気づいてよ……
ケチャップ使うより、こっちの方が私も好きだし。


「マジ? やった!」


無邪気に嬉しそうに笑う怜に幼馴染みの特権だなぁなんて思いながら、キュンとする。


2人で買い物を終わらせると、スーパーを出た。


「涼音、袋」


反応する前に食材の入った袋を持っていかれる。


「あ......」


「重いだろ?」


女の子扱い、してくれるんだ。


「ねえ、怜、海行きたい」


「行こうな」


「怜、勉強、教えてね」


「当たり前」


「怜、今度試合あるね」


「ああ」


ねえ、怜、好き。


そう言ったら、どんな反応するの?


びっくりする?


やっぱりなって、笑ってくれる?


私のこと、なんでもお見通しなのに、自分のことが絡んでくると怜は鈍いから。
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