ねえ、気づいてよ……
俺も好きって、幼馴染みとして返してくれる?


それとも、はっきり断られちゃう?


もしかしたら......。


「涼音?」


怜に顔を覗き込まれて、我に返った。


「怜......」


「どうした?」


言えないよ。


隣にいるのに例のこと考えてたなんて。


「怜、ずーっと私の近くにいてね」


「ああ」


ぎゅって掴まれた手を握り返す。


「涼音こそ、俺から離れるなよ」


「うん」


私、本当に離れなくなっちゃうよ......。


暑いのに繋がれた手の温かさは、心地よかった。
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