ねえ、気づいてよ……
「れいー、できたよ」


怜を呼ぶと、お風呂上がりの怜がリビングに来た。


久しぶりに見る、髪を整えてない無防備な怜。


ちょっとだけ、幼く見えるの。


結局お昼ご飯は、近くのファミレスで食べてオムライスは夜ご飯になった。


「「いただきます」」


2人で揃って、食べ始める。


「うま!」


ひとくち食べた怜が目を輝かせて褒めてくれた。


「涼音、料理できたんだなぁ」


「失礼ね!私、料理はできるもん」


「それ以外は?」


「あはは......」


「やっぱりな......。なあ、俺、洗濯も掃除も全部やるから、飯だけ作ってよ」


「さすがにそれは......」


私だって、ずっとできないままっていうのはやだし。


「いいじゃん。俺は、涼音のご飯がたべたい」


っ......。


ずるい。
< 56 / 272 >

この作品をシェア

pagetop