ねえ、気づいてよ……
「いいよ」


言っちゃうじゃん。


そんなこと言われたら。


「やった!」


嬉しそうに言う怜にドキドキする。


「洗い物やっとくから、風呂入ってこいよ」


そう言われて、怜の言葉に甘えてお風呂に入る。


人の家のお風呂って、緊張する。


でも、少し湯船につかってたら、リラックスできて、すごく休まった。


お風呂から出ると、重大なことに気づいた。


バスタオルって、どこにあるの?


どうしようかと固まっていると、ガラッと脱衣所のドアが開いた。


「え......」


「あ......」


「きゃあ!」


一瞬フリーズしたかと思うと、しゃがみこんで身体を隠した。


「涼音、ごめん、バスタオル......」


怜もちょっと気まずそう。


身体にバスタオルをかけられる。
< 57 / 272 >

この作品をシェア

pagetop