ねえ、気づいてよ……
「涼音ごめん。兄貴の部屋、雨漏り酷いらしくて、雨漏りの修理手伝い行ってくる」


早口でそう言うと、怜は、自分の部屋へ行って、きがえてきた。


「怜......」


「ごめんな。すぐ、帰ってくるから」


怜は、そう言うとすぐに出ていった。


見送ることもできずに、ぼーっと怜が出ていったところを見つめる。


突然過ぎて、何も思わなかったのに、すぐに恐怖感は襲ってきた。


ゴロゴロと鳴り響く音、時々光る外。


怖かった。


そんな恐怖に怯えながら、お昼が過ぎた。


お昼ご飯なんて、食べれなかった。


あと、どれくらい待てば帰ってくる?


怜、寒くないかな。


濡れてないかな。


怜が私の家に持ってきたクッションを抱えて、ソファに縮こまる。


このまま怜が帰ってくるまで待ってようと思った。
< 64 / 272 >

この作品をシェア

pagetop