ねえ、気づいてよ……
〜怜side〜


兄貴の車に飛び乗って、アパートまで行く。


「勝手に修理していいのかよ」


涼音を置いてくることになって俺は、自分でもわかるくらいには機嫌が悪い。


「ああ。むしろよろしくだってさ。怜、そんな顔すんなよ」


「涼音、雷苦手なのに」


「悪かったって。約束は守るから、な?」


「当たり前」


さっさと終わらせて、涼音のとこに戻る。


そう決心したのに、全然終わらねー。


全ては、不器用な兄貴のせい。


釘が斜めに入ったり、打ち込みすぎて気が割れたり。


ほんと、なんでそうなる......。


最終的には、俺が全部やった。


10時から2人でやったのに、終わったのは3時過ぎだった。


まだ雨は降り続いてる。


心なしか、強くなって、雷の頻度も高くなってきたような。
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