ねえ、気づいてよ……
起きたら一緒に食べようと思って、冷やし中華を作った。


「ん......」


作り終えて、涼音の隣に座っていると、眠そうな甘えた声がした。


「怜......」


「ん?」


そう返事をすると、涼音は嬉しそうに笑った。


「おかえり」


ずっと帰りを待っていて寝てしまった子供みたいだった。


「ただいま」


「れいぃ」


怖かっただろうな。


「よく、一人で頑張ったな」


「うん、頑張ったんだよ、私」


頭を撫でれば、嬉しそうに抱きついてくる。


そんな風にじゃれあっていると、涼音のお腹がぐぅと音をたてた。


「ふっ、ははっ」


笑うと、涼音は顔を赤くしながら、俺を睨む。


「笑わないでよ」


「わりぃ、冷やし中華作ったから一緒に食べよ?」
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