ねえ、気づいてよ……
「離せよ」


もう諦めかけた時、大好きな人の声と暖かい温もり。


「怜!」


「その腕、すぐに離せ」


「あ?お前、こいつの何?」


「彼氏」


その言葉にドキッとしたのもつかの間。


その男の人は、怜に殴りかかった。


でも、現役サッカー部の瞬発力と判断力、そしてキック力を舐めちゃいけない。


「いってぇ!」


やられる前に、1発入れてた。


「次、どうして欲しい?」


怜の黒い笑み。


もう、手が付けられない。


「......悪かったよ」


そう言い残すと、その人たちはどこかへ行ってしまった。


「怜!」


もう一度名前を呼ぶと、さっきの黒い笑みと打って変わって、優しく笑ってくれた。


「ありがと」


「ああ。で、涼音?これ、着ててくれるよな?」
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