一週間後君が夜に眠るまで
僕は身体を凄く力任せに揺さぶられて目覚めた。
どうやら、空き部屋にあった椅子に座って眠ってしまったようだ。
そして目の前には膨れっ面の彼女がいた。

「何してんのよ、こんなところで。もう秋になりかけてるのよ?風邪引いたらどうすんの?私家事出来ないからね?」

なんて野郎だ。
居候のくせに家事の一つもこなせないとは。
まぁ良い、想定範囲内だ。

「丁度良かった、今君の部屋を片付けてたんだ。もう必要無いものは外に出したから、あとは君の好きなようにインテリアするだけ。一応ベッドと、机、椅子、収納棚くらいは置いてるし、必要な物があったら買いに行こう。さぁ、行っておいで」

「やったぁー!一人部屋が夢だったんだー。気合入れて頑張っちゃうよー」

元気な人だ。
でも、そんな所にも救われているのかもしれない。
変に詮索してこず、天然のボケをかましてくる。
そんな無邪気な彼女がいてくれるおかげで、少し世界に希望を見出せた。

「ありがとう」

部屋に飛び込んでいった彼女に呟く。
すると、

「んー?なんか言った?」

と、返事が来た。
地獄耳だ。
気を付けよう。

「いや、なんでもないよ」

そう返事をして、夜ご飯の支度を始めたのだった。
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