Your Dole

可愛いお人形

天蓋付きのベッド、棚に飾られた美しいドレスを着た人形たち、ロココ調の調度品、天井から吊るされた豪華なシャンデリアーーー。この豪華な部屋がミラに与えられた小さな世界だ。

「ミラ、おはよう」

眠っていたミラは優しく口付けされ、目をゆっくりと開ける。口付けで目を覚ますなど、まるで眠り姫のようだ。

「おはようございます、ご主人様」

ミラが黒い瞳を開けると、目の前に仮面をつけた男性にしては長めの髪を持った人が微笑んでいた。男性はミラの頭を優しく撫で、もう一度キスを落とす。

「さあ、着替えようか」

男性はそう言った後、ミラの体に腕を回してゆっくりと起こす。その動作はまるで割れ物を扱うかのように優しい。

「今日はどれにしようかな」

男性はミラをベッドに座らせた後、部屋に置かれた大きく豪華なクローゼットを開ける。中には部屋に飾られた人形と同じような美しいドレスしか入っていない。

「このドレスにしようか」