Your Dole

男性がミラに選んでくれたのは、ミントグリーンのリボンのついたドレスだ。ミラは「素敵！」と微笑む。

「なら着替えさせてあげるね。あと、髪も結ってあげる」

男性はミラに近付き、ミラの着ているネグリジェを脱がしていく。下着姿を男性に見られているのだが、ミラの中に恥ずかしいという気持ちはなかった。むしろもっと見てほしいと思い、男性に抱き着いてみる。

「ミラは綺麗な肌だね。本当に生きたお人形だ」

男性はそう頬を赤く染めて言い、ミラの頭にキスを何度も落とす。ミラが顔を上げると、頬やおでこ、そして唇にキスの雨が降り注いだ。

ミラがこの屋敷で暮らし始めたのは、五年ほど前のことだ。

ミラは街で家族と暮らしていた。しかし、家族とうまくいかずミラは家を飛び出してしまった。そして行く宛もなく森の近くを歩いていたその時、仮面をつけたガブリエルと名乗る男性に声をかけられた。

『屋敷から出ずに僕のお人形になって？そしたら君の身の回りのお世話をしてあげる』