Your Dole
お人形としての毎日
着替えを済まし、髪も綺麗に結ってもらったミラは広い大広間でガブリエルと食事を取ることにした。

「ミラ、はいあ〜ん」

ミラの口元にスプーンが近付く。ガブリエルは微笑んでミラに食事を食べさせていた。ミラも口を開け、スープを飲み込む。

「おいしいです」

ミラが微笑むとガブリエルは「ならよかった」と言い、頭を優しく撫でる。

ミラはこの屋敷に連れて来られてから、自分の身の回りのことを全てガブリエルにしてもらっている。移動する時ですらガブリエルに抱き上げて連れて行ってもらうため、ミラは何もできない人間になってしまっていた。

「ご主人様、いつもありがとう」

ミラがそう言いガブリエルの頬にキスを落とすと、ガブリエルは「困ったお人形さんだ」と言いながら唇が塞がれる。リップ音が大広間に響いた。

「ご飯を食べたらピアノを聴いてくれる？」

唇が離れた後、ガブリエルが訊ねる。ミラは「もちろんです」と頬を赤く染めた。
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