離してよ、牙城くん。



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「見送ったよー」


『さんきゅーえみ!
ほかの人間に顔見られてない?』




「大丈夫。
ま、俺がそんなヘマしないよねぇ」



『はいはい、ありがと』







「にしても、だいぶ、……だね。……牙城はお姫さまを守ろうと必死で」








『あー……それは、ノーコメントで』







わたしの知らないところで、そんな会話がなされていた。





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