離してよ、牙城くん。


地味にけなしてくるのやめて?


傷つくから!




友だち少ないのは……、本当だけど。




「俺がかまってあげるから、おいでよ」


そんなあまーい言葉をささやいて。




「……どうせ、牙城くんが構いたいだけでしょ」



本心は見え見えだからね?




「あ、ばれた?」


「あたりまえだよ!」




ふーんだ。


失礼な牙城くんは放っておいて、ほかのお友だちとお昼休み過ごしてやるっ!




そう抗議してぷんすか怒っているわたしに、牙城くんはなぜか黒い笑みを浮かべていて。


……あれ、まずい。嫌な予感。





「ん?百々ちゃん。
休み時間は俺と過ごすんだろ、え?」



「だって……!牙城くんがいじわる言うから!」




「でもさあ、もうきみはイエローカード1枚持ってんじゃん。あー、そろそろ監禁案も考えないとね」


「……(負けた)」








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