離してよ、牙城くん。
バチバチと火花を散らして睨み合ってるふたり。
なんだかどちらも煽り合いをしているような……?
これはどうすればいいのか……、うーーん、……わからなくなってきた。
もういっそのこと、……ふたりとも置いて行っちゃおうかな。
仲良いし、大丈夫、だよね。
「ちょ、百々ちゃん。歩くの速くない?」
「ううん、そんなことないよ……?」
牙城くんは、過敏に気づく。
たらりと冷や汗をかくけれど、なんとかごまかす。
「あるよね、ねえなんで百々ちゃん俺から逃げんの」
「うわあ、牙城の半泣き笑える」
「エミ消えて」
「怖い怖い怖い」