離してよ、牙城くん。
ふう、と安堵しながら、ふたりを振り返って声をかける。
「淡路くん、今日いっしょにお昼……食べる?」
きっと、淡路くんは誘っても来ないと思うけれど、いつまでも口喧嘩をやめないふたりを止めるための中和剤。
「は? 百々ちゃん何言ってんの。
こいつと昼飯食べるとか絶対やなんだけど。てか、百々ちゃんのもぐもぐしてるくそ可愛い姿見せるとか普通に無理なんだけど」
「長いって。いやあ、でも、俺行こうかなー」
「来んな。失せろ」
「牙城くん!ひとを傷つけちゃう言葉遣い、だめだよ……っ」
「ごめん百々ちゃん。嫌いになんないで」
「え、牙城、おまえ二重人格なの?」