離してよ、牙城くん。
ありえない! デリカシーがない……!
しーっと人差し指を立てて注意したら、牙城くんはしょぼんと肩を落として。
「フラれた……」
「……牙城をこんなんにするの、やっぱ朝倉さんだけだわ」
苦笑いしている淡路くんに、ぽんっと肩を叩かれていた。
「……いいわ、もう。今日も絶賛可愛すぎる百々ちゃんのお顔眺められるだけ幸せだと思うことにする」
「牙城くん……、恥ずかしいよ」
「恥ずかしがってるのやばい可愛いやっぱキス……」
「し、な、いっ!!」
「デスヨネ……」
これが、牙城くんの通常運転。
淡路くん効果か、牙城くん節が止まらない朝だった。