離してよ、牙城くん。
確実に牙城くんに惹かれていると思う今日この頃。
彼の本気はわたしには刺激が強すぎて、毎日心臓がもたないし。
嬉しい反面、ドキドキしすぎてしんどい気持ちもあるところ。
それでも、牙城くんのとなりにはいたいんだけどね……。
「いや、それがさ……」
すると、突然、言いにくそうに花葉は顔をしかめた。
わたしを呼ぶ理由が、あまりいいものではないようで。
言いやすい雰囲気を作るよう、ゆっくりうなずいて彼女の言葉を待っていると。
「実は、……相手の人たちみんな、ロン高なんだよね」
「ろ、ロン高……」
偏見だけれど、その学校名を聞いた瞬間、顔が引きつってしまう。