離してよ、牙城くん。
「……に、朝倉百々は困ったときは牙城くんを頼らなければならない」
「百々ちゃんは俺のって感じがするよねー」
「……ちがうからね?」
じとっと見つめるけど、にこにこして牙城くんは次を促す。
なのだけれど、この最後の3つめは正直よくわからない。
意味を聞いても、教えてくれないのがオチで。
「……さん、朝倉百々は休日に牙城くんに会ってはならない」
「うん、お約束三か条クリアね」
はぐらかすように、これに関してコメントはしなかった牙城くん。
……休日に会ってはならない、なんて。
まるで、わたしとは学校でしか会いたくないと言われているみたいで気分はあまり良くないのに。
でもそれはたぶんわがままで、はっきりとした感情じゃないから我慢して掘り下げるのはやめているのだ。