離してよ、牙城くん。
ロン高は、牙城くんがうちの高校に来る前にもといた学校だから、苦手意識は人よりは薄いんだけれど。
さすがに、合コンとなると、ロン高の生徒の中でもチャラい人が来るはずだから、いい印象がなくて。
「ひとりじゃ不安でさ……、百々がいてくれたら安心できるんだけど」
ほかにも女の子はいるけれど、あまり仲良くはないんだって。
何かあったとき、百々なら頼れるって。
そんなふうに言ってくれる親友を、放っておけるわけがない。
「わ、わかった……。いっしょに行こう」
覚悟を決めて、花葉にうなずく。
すると、彼女はぱあっと華が咲いたように笑った。
……可愛いなあ、花葉。
こうなったら、ちゃんとこの子の恋を応援しないとね。
「ありがとう、百々! このお礼はいつかするから!」
「いいよいいよ……! わたしがついていきたいだけだから」