離してよ、牙城くん。
「まあ、俺の優しさは百々ちゃん限定だから」
「……っがじょーくん?! よけいなひとこと!!」
牙城くんの本当の姿をみんなに知ってもらえれば、少しでもいい噂が増えるかな、と試みたこと。
それなのに……、わたしの思いやりを返して!
バシバシ牙城くんの背中を叩きながら牙を剥いて刃向かう。
「ぜんぜん痛くねえよ? 猫パンチ百々ちゃん?」
「〜〜がじょーくんさいてい!! もう関わらない! どっか行って……!」
「え、無理無理。百々ちゃんに触れられないとか生きてる価値ない」
「それくらい耐えて……?!」
「それに百々ちゃんに噛みついたりキスしたりできないのは俺の元気の源消える」
「ハレンチなこと言うのやめて……っ?」