離してよ、牙城くん。
「すっげえ可愛いし、喋り方とかも好みなんだよなあ……」
「まあ、……わかるけど」
「……あのさ、廉」
「なに、紫苑」
「俺、朝倉さんに惚れそう」
「やめろ、渚さんに半殺しにされる」
あーあ、と呟く紫苑くんは。
「渚さん、やっぱり俺らにとってはいちばん強くて怖くて危なくて。俺らには手の届かない、すっげえ輝いてる人なんだよなあ……」
だれよりも牙城くんを敬愛しているのは、大親友の廉くんしか知らないこと。