離してよ、牙城くん。





「どうして……、七々ちゃんはわたしを置いていくんだろう」





小さいころは、なにをするにしても同じだったのに。


弱くて負けばかりの双子のわたしを、ずっと守ってくれていたのに。





高校生になってから、まったく関わることがなくなった。


家族なのに。姉妹なのに。

まるで、他人になったかのように、わたしの知らない道を行く。






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