離してよ、牙城くん。
* 夜 闇 *
ふしぜんな牙城くん
.
「いつだれとどこに行くのか、ぜったい俺に伝えること。わかった?」
……最近、牙城くんの過保護度が増した気がする。
「わかったけど……、牙城くん、お父さんみたい……」
わたしには父親はいないけれど、いたらきっとこんな感じなんだろうな……なんて。
あまりにも過保護すぎて、本当の親よりも心配性。
「父親より、百々ちゃんの彼氏にしてよ」
「う、あ、……それはですね」
あたふたとし出すわたしの様子を見て、牙城くんは苦笑い。
「まあ、いいけどさ。連絡は必ずすること」
「はぁーい……」