離してよ、牙城くん。
増したものは、過保護度だけでなく、牙城くんのスマホを見る頻度だ。
いままでは、わたしといるとき、スマホはあまり見なかった。
理由は、わたしといるときにスマホを見てる時間がもったいない……なんて、恥ずかしいものだった気がする。
よく端末を見てるからといって、わたしが牙城くんを咎めるわけでもなく、何かあったのかな?くらいにしか思わないんだけど。
最近、彼がいつもと様子が変なのは……気のせいだと思いたい。
「ちょ、百々〜〜!! 聞いてー!」
休み時間は牙城くんといる約束だ。
毎回、花葉には頭を下げて謝っているんだけれど、彼女は笑って許してくれる。
そんな花葉が、休み時間にわたしを呼びにきたということは……相当な重大事件が起こったということだ。