離してよ、牙城くん。



今度は、目を見開くのはわたしの番。


いつのまにか、美しい牙城くんに押し倒されていて。

冷たい屋上を背に感じながら、ふたりのあいだには甘い雰囲気。




さっきまでの弱った牙城くんはおらず。



……あれ、牙城くんの目、……据わってない?





「ナマイキな百々ちゃんも、……上等だよね?」


「んっ……待っ、」



噛みつくようなキス。

甘くて痛くてもどかしくて。


やめてほしい、理性はなけなしにあるのに拒めなくて。






「無ー理。俺のスイッチ入れたの、百々ちゃんな?」


「ゆ、ゆるし……っ」




「ハイハイ、おとなしくしよーね」






それから、失神するほど激しいキスをされ続けたのは……言うまでもない。





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