離してよ、牙城くん。



おかあさんたちに聞こえるのははずかしいから、七々ちゃんにだけ伝えるために、とっても小さい声でその手紙を読んだ。









だいすきな、ななちゃんへ。



いつも、いじわるばかりのたけるくんや、つよしくんからまもってくれてありがとう。

ななちゃんのことは、いつかわたしがまもるからね。

ななちゃんみたいに、わたし、つよくなれるかな。


あいきどう、も、ならったのにやっぱりにがてだなあ。


ななちゃんは、わたしのあこがれ。

かっこよくて、やさしくて、しっかりしてるの。



おたんじょーびも、おめでとうね。

もう、ななさいだよ。


ちゅうがくせーや、こうこうせーになっても、もものこと、だいすきでいてね。


わたしがつよくなるまで、ななちゃんを、まもってくれるひとができますよーに。



もも








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