離してよ、牙城くん。
『……ううん、百々のほうが、わたしのあこがれだよ』
ずびっと鼻水をすすっている七々ちゃん。
読みおえるまえから、泣いている。
なんで泣いてるのって聞いたら、七々ちゃんはなんにもないって首を横に振って笑って言うんだ。
『百々は、じまんの、ふたごだよ……!』
ぎゅうっと、強く抱きしめてくる七々ちゃん。
いたいよって言えば、あははっと楽しそうに笑っていた。
『わたし、もっと百々のことまもれるように、すーーっごく強くなってみせるっ!』
『わ、わたしが七々ちゃんをまもるもん……っ』
『ううん、こんなにかわいい妹を、泣かせるやつがいたら〜〜ぼこぼこの刑だっ』
『ぼ、ぼこぼこ……』