離してよ、牙城くん。




『……ううん、百々のほうが、わたしのあこがれだよ』




ずびっと鼻水をすすっている七々ちゃん。


読みおえるまえから、泣いている。




なんで泣いてるのって聞いたら、七々ちゃんはなんにもないって首を横に振って笑って言うんだ。





『百々は、じまんの、ふたごだよ……!』







ぎゅうっと、強く抱きしめてくる七々ちゃん。


いたいよって言えば、あははっと楽しそうに笑っていた。





『わたし、もっと百々のことまもれるように、すーーっごく強くなってみせるっ!』


『わ、わたしが七々ちゃんをまもるもん……っ』




『ううん、こんなにかわいい妹を、泣かせるやつがいたら〜〜ぼこぼこの刑だっ』


『ぼ、ぼこぼこ……』






< 265 / 381 >

この作品をシェア

pagetop