離してよ、牙城くん。
おとうさんはわたしたちの乱れた髪を温かくて大きな手で整えると、ふっと微笑んで諭した。
『七々、百々。
ふたりの名前を合わせると107になるだろう?』
ひゃくなな……、数字?
『ななと、七と、ももの、百……?』
『そうだ。107の意味を知ってるかい?』
107の意味……?
数字に、意味なんてあるの……?
『わかんない……』
『しらなぁい……』
きょとんとする七々ちゃんとわたしに、おとうさんはとびきり優しい微笑みで、口を開いた。