離してよ、牙城くん。
七々ちゃんは、やはりわたしとちがって小さいころから賢かった。
しっかりしていて、とても頼りになっていた。
そういうところは違うくても、心は通じ合っていたから、なんの問題もなかった。
『百々、わたしたち、ずーっとなかよしだよっ』
『うんっ、七々ちゃん、だいだいだいすき!!』
はじけるような笑顔を見せる七々ちゃんは、わたしを強く強く抱きしめて。
『わたしも百々だいすきーっ』
お互いが大切で大切で仕方ない。
……あの頃には、もう、戻れないのだろうか。