離してよ、牙城くん。




花葉ったら、なにを言ってるんだ。


どうやら……、わたしの扱いについて彼に怒っている、みたいだ。



牙城くんの距離感おかしいのはいつものことだから、わたし自身、文句を言いつつも慣れていたからよかったんだけど……。


花葉は、ご立腹のようで。



謎の絡み方をし出す花葉を一瞥した牙城くんは、まったく愛想のない顔で一喝。






「乱暴してねーよ?
ってか、百々ちゃん俺のなんだけど」



「ハアン?!
おのれ何様のつもりだ!」




「あんたに言われたくないんだけど」




まって、まって。




「……すとーっぷ!
なんでケンカになるの……?!」





お願いだから、仲良くしてよ……。



ふたりのあいだに割って入ると、牙城くんにグイッとまたもや腕を引かれて。





「俺、女は百々ちゃんとしか話したくねえから」




バッサリとそう言い、
……花葉は、無言で牙城くんを睨んだ。




ううっ……、なんでこんなに険悪になるの。







< 28 / 381 >

この作品をシェア

pagetop