離してよ、牙城くん。
花葉ったら、なにを言ってるんだ。
どうやら……、わたしの扱いについて彼に怒っている、みたいだ。
牙城くんの距離感おかしいのはいつものことだから、わたし自身、文句を言いつつも慣れていたからよかったんだけど……。
花葉は、ご立腹のようで。
謎の絡み方をし出す花葉を一瞥した牙城くんは、まったく愛想のない顔で一喝。
「乱暴してねーよ?
ってか、百々ちゃん俺のなんだけど」
「ハアン?!
おのれ何様のつもりだ!」
「あんたに言われたくないんだけど」
まって、まって。
「……すとーっぷ!
なんでケンカになるの……?!」
お願いだから、仲良くしてよ……。
ふたりのあいだに割って入ると、牙城くんにグイッとまたもや腕を引かれて。
「俺、女は百々ちゃんとしか話したくねえから」
バッサリとそう言い、
……花葉は、無言で牙城くんを睨んだ。
ううっ……、なんでこんなに険悪になるの。