離してよ、牙城くん。



突然の【相楽】のメンバーのお誘いに、七々ちゃんは目を瞬かせて驚いている。



ちなみに、景野さんは、焦って「やめろまじで」を繰り返し言っていて。

きょとん、とした表情をしていた七々ちゃんは。



今日はじめて、あははと声を出して笑い、景野さんのものへ駆け寄った。




「そうかそうかーっ、祥華、わたしのこと好きなのかー」


「……うざいよ、ナナ」



うざい、と言うわりには、景野さんの耳は少し赤い。

後輩たちにからかわれ、はあーっとため息をついている。





「うふふ。でも、わたし【狼龍】の人間だから、【相楽】のメンバーと食事なんてしていいのかって不安なんだけど」


「気にするな。僕がいいって言った」




「景野、もうなんだったら、七々を【相楽】に入れたれよ。
景野の女なんか、俺、胸くそ悪いわ」


「うわーっ、ナギ、わたしのこといらないって言った!」




「ナナ、僕のところに来い。牙城クンより、僕のほうが優しいから」


「えー、じゃあ、今日の食事会で決めようかなあ」





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