離してよ、牙城くん。
目を薄く開けて見た牙城くんは、色っぽくて。
濡れた唇が、恍惚で。
瞳は、餌を見つけた獣のように爛々と光っていた。
角度を変えて、何度も何度も繰り返されるキス。
牙城くんは止めてくれる気配などなくて、わたしも止めようともしないで、噛みつくようなキスを受け入れていた。
「がしょ、くっ……も、むりっ……」
「……ん、もう無理なの? あとちょっとね」
「う……、いじわ、る、んっ……」
「そーだね、俺、もー我慢できないから」
ごめんね?って言う彼は、まったく悪びれもなく。
わたしが彼の胸を激しく叩くまで、……永遠と解放してくれなかった。
終わったあとに、はあはあと荒れた息をするわたしに、牙城くんはうっすら笑う。